[PDF] 慢性副鼻腔炎に及ぼすクラリスロマイ 少量長期投与の効果
副鼻腔炎と喘息の関係については、喘息患者の40%~73%に慢性鼻副鼻腔炎を合併し、逆に慢性副鼻腔炎患者の約20%は喘息に罹患しているといわれます。また喘息を合併する慢性鼻副鼻腔炎の副鼻腔陰影の程度をCTでスコア化し重症度分類すると、CTスコアと血中の好酸球数、CTスコアと喀痰中好酸球とは正の相関があります。喀痰中の好酸球数は、喘息重症度の良い指標となります。つまり、慢性鼻副鼻腔炎の程度がひどいほど喘息も重症といえます。
これらのことは副鼻腔炎と喘息もone airway, one diseaseであることを示しています。
本研究はクラリスロマイシン(CAM)の 少量長期投与の効果を評価するためにデザインされた。対象は
日本における好酸球性副鼻腔炎の術前診断基準は2013年に全国大規模疫学調査 (JESREC study) により作成されました。この診断基準でのスコアが11点以上で、術前に好酸球性副鼻腔炎の可能性が高いと診断されます。
好酸球性副鼻腔炎の確定診断は術後の鼻茸の病理組織検査で行います。鼻茸中の好酸球数が顕微鏡下に1視野(400倍)あたり70個以上あった場合に好酸球性副鼻腔炎と診断されます。
【背景】慢性副鼻腔炎は小児気管支喘息への合併頻度も高く,また ..
好酸球性副鼻腔炎の治療に際しては、内視鏡下副鼻腔手術と病態に基づいた薬物治療の双方が重要です。
好酸球性副鼻腔炎の治療方針については、再発リスクに基づいたアルゴリズムが作成されており、再発性・難治性の度合いによって低リスク群、中等度リスク群、高リスク群の三群に分けて治療方針を決定します。喘息の合併や血中好酸球数が多い場合は再発の高リスク群となります。
しかし、保険診療で、マクロライド療法に使用が認められているのは、現在、クラリスロマイシンのみ。 ..
好酸球性副鼻腔炎の治療に際しては、内視鏡下副鼻腔手術と病態に基づいた薬物治療の双方が重要です。
アレルギ-性鼻炎と喘息の関係については、上気道(鼻)と下気道(気管支)の炎症は血液中の細胞を介して互いに影響しあっています。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜で抗原誘発試験を行うと喀痰に好酸球が上昇し、逆に気管支に抗原誘発試験を行うと鼻粘膜の好酸球浸潤と血中の好酸球が増加します。また喘息合併のアレルギ-性鼻炎患者が副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬を使用すると喘息の症状が改善すること、花粉症患者が下気道にステロイドの吸入療法を行うと、鼻症状も改善して鼻好酸球浸潤と血中好酸球が減少することもわかっています。
14 員環(エリスロマイシン EM、クラリスロマイシン CAM、ロキシスロマイシン RXM).
好酸球性副鼻腔炎の治療方針については、再発リスクに基づいたアルゴリズムが作成されており、再発性・難治性の度合いによって低リスク群、中等度リスク群、高リスク群の三群に分けて治療方針を決定します。喘息の合併や血中好酸球数が多い場合は再発の高リスク群となります。
薬物療法は、再発低リスク群ではステロイド鼻噴霧薬と抗ロイコトリエン薬の併用、喘息合併例では吸入療法の強化、高リスク群ではステロイド全身投与が考慮されます。
好酸球性副鼻腔炎は薬物治療により改善することもありますが、多くの場合は内視鏡下鼻副鼻腔手術が必要です。内視鏡下鼻副鼻腔手術では鼻茸を切除するほかに、鼻副鼻腔の形態を換気が良くなるように修正します。
5.1 「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬 ..
副腎皮質ステロイド薬は、好酸球性副鼻腔炎の病態形成に重要な因子であるTh2サイトカインの発現を比較的容易に抑制するため、薬物療法においては重要です。副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬は、全身投与ほど有効ではないとされますが、副作用もなくある程度の効果が期待でき、好酸球性副鼻腔炎の基盤となる治療です。
ライドといわれるクラリスロマイシン(CAM14 員環マクロライド)の方が、効果があ
中耳炎とは、中耳腔(鼓膜の奥にある空間)に感染が生じ、炎症が起きている状態を指します。耳痛、耳閉感などの症状を引き起こし、鼓膜が破れると耳だれが出てきます。数日前から鼻水が出る風邪をひいており、機嫌が悪く、耳をしきりに触ったり、耳を痛がる時は中耳炎の可能性が高いです。時には発熱することもあります。成長して抵抗力がつくと罹患しにくくなることが多いですが、慢性化して滲出性中耳炎(中耳に液体がたまった状態)に移行する場合や、慢性中耳炎になることもあり、治しきることが大切です。
投与量は,エリスロマイシン10 mg/kg/day,クラリスロマイシン3 mg/kg/dayとした.
慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法のガイドラインでは、成人は1日エリスロマイシン400~600mg、またはクラリスロマイシン200mg、またはロキシスロマイシン150mg、小児は1日エリスロマイシン10mg/kg、またはクラリスロマイシン5mg/kgを基準として症例により適宜増減する。3ヶ月投与で全く無効な症例は速やかに他の治療法に変更し、有効症例でも連続で3~6ヶ月で一度中止し、症状再燃時に再投与する。小児にはできるだけ投与期間を短縮し、2ヶ月で有効性を認めなければ中止する。
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kg あたり 15mg(力.
抗ロイコトリエン薬のひとつであるモンテルカストは、好酸球性副鼻腔炎の病態形成に重要な因子であるCysLTsの作用を阻害する薬物で、副鼻腔炎の浮腫性粘膜(アルブミン存在下)においてもCysLT1レセプタ-への結合力が、同じ抗ロイコトリエン薬のプランルカスト水和物と比較して優れ、効果が期待できます。最近慢性鼻副鼻腔炎におけるモンテルカストに関するメタアナリシスが行われ、その有効性が報告されています。したがって好酸球性副鼻腔炎の軽症例には副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬とモンテルカストの併用治療が推奨されます。
クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス) – 呼吸器治療薬
好酸球性副鼻腔炎に対する副腎皮質ステロイド薬の全身投与の有効性は、手術の有無に関わらず証明されており、推奨されています。全身投与により間脳-下垂体-副腎皮質系に影響を与え、クッシング症候群や副腎皮質機能低下をきたすなど重篤な副作用があり、使用には注意を要しますが、好酸球性副鼻腔炎の重症例や術後に限られた期間使用されています。たとえば、セレスタミンにおいては術後から1日2錠2週間、その後1日1錠2~4週間、さらに1錠を隔日投与し、約2か月投与する方法があります。
好酸球性副鼻腔炎症例のCT
アレルギ-性鼻炎では喘息の治療を行うと鼻炎も改善します。好酸球性副鼻腔炎についても最近、喘息治療の強化すなわち、吸入ステロイド薬(ICS)と長期作用性β2刺激薬(LABA)の配合薬(ICS/LABA)の有効性が報告されています。
喘息の吸入治療強化により副鼻腔炎も改善
気道におけるTh2炎症発症のメカニズムは、気道上皮細胞からTh2型炎症を誘導するサイトカイン (Th2サイトカイン: TSLP、IL-25、IL-33など) が産生され、IL-5の産生亢進を含む何らかの機序 で骨髄において好酸球が産生され、血中に遊走し、その後気道粘膜に浸潤して発症すると考えられます。好酸球性副鼻腔炎ではTh2サイトカインと共にシステイニルロイコトリエン (CysLTs) の発現亢進も伴います。
副鼻腔炎の症状としては、などがあります。
当科では、副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬とモンテルカストの併用効果が不十分な症例には、経口ステロイド薬を使用する前に呼吸器内科医と協議して、ICS/LABAを積極的に使用するようにしています。実際、喘息を合併する副鼻腔炎患者に、喘息に対する吸入治療をFP単独からICS/LABAに強化したところ、血中好酸球、鼻茸好酸球浸潤、CTスコアの改善がみられています。
副鼻腔炎の症状としては、
病態が多様で治療方法も様々な慢性副鼻腔炎の治療では、個々の患者さまの病態を鑑別し、病態にあった治療の実施がポイントになります。そのため症状や病歴のみならず、アレルギー性鼻炎・喘息・鼻中隔弯曲・鼻茸などの有無、鼻汁の性状、X線検査やCT検査といった画像所見などを参考にします。
好酸球性副鼻腔炎の主な症状は以下の通りです。
当院では急性中耳炎のガイドラインをもとに重症度に応じて科学的に証明された診断と治療を選択し、なるべく早く安全に治すことを第一目標にしています。しかしながら、中耳炎をひきおこす細菌が年々強くなり、抗生剤がなかなか効かなくなってきました。抗生剤が効かない場合、耳鼻咽喉科医しか行えない鼓膜切開を行い、なるべく早く細菌を体から排出させる治療を行っています。
好酸球性副鼻腔炎は、日常生活における注意も大切です。
慢性副鼻腔炎に対しては病態に適した薬物を組み合わせますが、一般的なのがマクロライド少量長期療法です。鼻・副鼻腔粘膜の慢性化した病的状態を正常にし、鼻汁や後鼻漏を少しずつ改善させます。
・急性の副鼻腔炎は遺伝することはありません
クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシンといったマクロライド系抗生物質を通常の半分の量で、2週間から数ヶ月間という長期間服用します。抗菌作用の弱い抗生物質を半量で用いるため長期間の服用でも安全性は高いです。
慢性副鼻腔炎に対するクラリスロマイシン (CAM)の少
内視鏡を使用して手術操作をすべて鼻の穴から行う、より安全で低侵襲(傷が少ない)手術です。鼻茸を切除し、病的な粘膜を除去された各副鼻腔が鼻腔に大きく開放されることで、副鼻腔炎の再発を防ぎます。
好酸球性副鼻腔炎の治療
鼻腔を左右に仕切る鼻中隔は誰しも多少湾曲していますが、鼻閉や副鼻腔炎、嗅覚低下・障害が生じるほど湾曲の度合いが強ければ、曲がった部分の鼻中隔軟骨・骨を摘出してまっすぐにします。この手術は鼻内からアプローチします。