はアモキシシリンが多く使われています。通報 155 でアモキシシリンやセファレキシン


早期の経口抗菌薬への変更が検討された過去の研究においても、bioavailabilityに優れた薬剤を用いた研究が多いです。よって、まずは対象となる感染症が、これらの薬剤でカバーできるのか考えましょう。bioavailabilityの良好な抗微生物薬の薬物動態については、一般的に健常人での研究に基づくものが多いですが、罹患した状態の患者でも同等の値を示していた、とする報告もあります[6-9]。


第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン

また、未解決の課題として、腸内細菌科GNRによる感染症を治療する際の経口抗菌薬として、極めてbioavailabilityが高いフルオロキノロンやST合剤を使用するのか、βラクタム系抗菌薬でもよいのか、という問題があります[11]。感染症医の中でも意見が分かれるようです。先ほどのJAMA Internal Medicineの論文[10]でも、経口抗菌薬の種類別に差を示すことはできていません。βラクタム系抗菌薬の中にbioavailabilityの異なる薬剤が混在することも、混乱を招く原因になっています。フルオロキノロン・ST合剤と、βラクタム系抗菌薬の間で予後に差がないとする研究もあります。しかし、現状でこの問題に判断を下すには、十分に事実が集積していません[12]。βラクタム系抗菌薬を使用するのであれば、セファレキシン、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸などのbioavailabilityの高い薬剤に限定するというのが一つの方法でしょう。経口抗菌薬を含めた適切な治療期間も、まだ検討が必要です。

欧州臨床微生物・感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases; ESCMID)の会員を対象に、血流感染症でIDSAガイドラインがどの程度遵守されているのか調べた報告があります[14]。この報告では、専門家の1/4が治療後10日目以降で経口抗菌薬への変更を行うと回答しており、少数ですが治療開始後48-72時間以降での変更を考慮するという回答もあります。各国で事情は様々でしょうが、現場では意外に早期から経口抗菌薬にスイッチされている可能性があります。

薬のセファレキシン、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸、スルファメトキ

青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。

横隔膜下の嫌気性菌にも有効であるのが特徴の薬剤です。
腹部手術の術前投与、腹部/骨盤内感染症に用います。また基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase: ESBL)産生菌に対する効果も報告されています。

では、アモキシシリン、オーグメンチン等のペニシリン製剤とセファレキシン、セファク

医薬品の添付文書(効能書き)には、体内での薬物動態が記載されています。血中濃度の推移や尿への排泄などのデータです。

胆道移行性がよいとの理由で、本邦では胆道感染症に使用されることがある薬剤です。
に対する有効性も報告されていますが、これを治療するためにこの薬剤を選択することはないでしょう。

• アモキシシリン、ペニシリン V-K などのペニシリン系抗生物質、またはセフィキシム (Suprax®)、セファレキシン

非常に広い抗菌スペクトラムを持つ薬剤です。
むしろこの薬剤が効かない菌を覚えておくべきです(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、、コリネバクテリウム、マルトフィリアなど)。セフェビム(CFPM)と同様、培養結果が判明しだい狭域抗菌薬に変更するべき薬剤です。

第2世代キノロン系の薬剤です。
緑膿菌を含むグラム陰性桿菌への抗菌活性は強いですが、グラム陽性菌や嫌気性菌への抗菌活性は低いです。緑膿菌に対する活性はキノロン系でもっとも高いです。


J01CR02 アモキシシリン・クラブラン酸 amoxicillin and clavulanic acid

中耳炎
肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン

*6 セファレキシン、 アモキシシリン・クラブラン酸の場合5~7日間

腸管吸収率は悪いですが、一度組織内に移行すると有効濃度が長く維持される薬剤です。
性感染症、非定型肺炎、猫ひっかき病など、長期連用しないような状況で使用することが多い薬剤です。

(セファレキシン) · サワシリン(アモキシシリン水和物) · 他の関連薬剤を見る

VCMと同系統の薬剤です。
組織移行性はよく、副作用は少ないです。血漿蛋白結合率が高く血中濃度が上がりにくいため、投与開始時は投与回数を多くしたり、血中濃度測定をして投与量を調整したりする必要があります。

分離された MRSIGはクラブラン酸・アモキシシリン,セファレキシンおよびセフジニルに対してす

グラム陽性球菌・横隔膜上の嫌気性菌への活性が強いことが特徴の薬剤です。また骨組織への移行性がよいことから整形外科領域の感染症でも頻用します。
横隔膜下の嫌気性菌には耐性化が進んでいます。