[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方


しかし、マクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッド、ジスロマック)で効果がある菌としては、 もっとも有効であり、ほかの抗生物質では一部で気道に菌が残り感染を広げる可能性もあることから、現在でも第一選択薬はマクロライド系抗生物質になります。 マクロライド系抗生物質では効果がなく、マイコプラズマ肺炎の確定診断がついたお子さんには、そのほかの抗生物質であるオゼックス、ミノマイシンを投与することもあります。


小児科クリニックがマイコプラズマ肺炎の感染経路(うつる) ..

抗生剤については、マクロライド系抗生物質(クラリス/クラリシッド、ジスロマックなど)が有効とされていましたが、近年マクロライド系の抗生物質は効きにくくなっています。 これは、抗生物質の乱用、抗生物質が適切に使用されてこなかったことが背景にあります。 他にニューキノロン、テトラサイクリン系抗生物質 も効果があります。

マイコプラズマ感染症は基本的に自然治癒する疾患です。必ず抗生剤治療が必要なわけではありません。すでにご説明している通り、マイコプラズマ感染者の3~5%の方が肺炎などを発症します。キャップスクリニックでは、肺炎、気管支炎などのレントゲン所見がある場合に限り治療対象としています。

小児用10%、ジスロマックカプセル小児用100mg、ほか後発品あり

成人における判断基準としてはある程度妥当ですが、小児においては320倍程度の抗体価が数か月間認められる場合があり、一回だけの採血による判断は危険です。 年齢に関わらず信頼性があるのは、2週間ほど間隔を空けて採血し、 その2回のIgMの上昇の程度を時間経過で観察することが必要です。 2週間ほど間隔をあけた2回の採血で「4倍以上の変動を認めた場合」、マイコプラズマ感染症と確定診断できるのです。

さきほどご説明した迅速のIgM検査とは異なります。成人ではこのIgM抗体の反応が非常に弱いかほとんどないという問題点があり、一方小児では抗体反応が強く長期に持続するため、実際の感染から長期にわたり、IgM抗体が検出され続ける場合があることが知られています。

[PDF] マイコプラズマ肺炎流行に対する日本小児科学会からの注意喚起

マクロライド系抗生物質が効かない場合、ニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質(例:オゼックス、ミノマイシン)が第二選択薬として用いられますが、ミノマイシンは8歳未満の小児には使用できません。

これらの抗生物質は効果が確認されやすく、安全性の高さから広く使用されています。

小児の長引くしつこい咳をひきおこします 以前は3~4年の流行周期がありましたが ..

迅速検査は、マイコプラズマ抗原迅速検査キットを用いて、咽頭ぬぐい液から15分程度で抗原を検出することができます。

マイコプラズマは、唾液などにのって他人の気管支や肺まで到達し、そこで増殖したマイコプラズマが肺炎を引き起こすきっかけになります。 基本的に咽頭・扁桃などの上気道でマイコプラズマが盛んに増殖しているわけではありません。 これらの部 位で検出されるマイコプラズマは、たまたま痰や咳によって下から運ばれてきたものであり、そもそも上気道に存在す る菌の量は少ないと考えられます。


[PDF] 「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1

IgMを検出するマイコプラズマ迅速検査では、感染初期にマイコプラズマIgMが上昇していないこともあり早期診断をすることは難しいのです。また、成人ではこのIgM抗体の反応が非常に弱いかほとんどないこともあり、検出ができないができないこともあります。

2023年の感染症状はなぜ重いのですか? マイコプラズマ肺炎は小児の呼吸器疾患の中では比較的多く、一般的には秋と冬に多く発生します。

マイコプラズマに感染するとマイコプラズマが増殖するのには2~3週間かかります。 その後、感染した人の体が マイコプラズマを認識し免疫反応が始まります。その結果肺炎が進行します。その後遅れてIgMという抗体が日単位で上昇します。マイコプラズマ肺炎があっても、感染初期ではIgMが検出されないこともあるわけです。

小児におけるマクロライド系薬耐性Mycoplasma pneumoniaeの大流行

マイコプラズマ感染の診断には、①lgMという感染後初めに上昇する抗体(自分自身の体が作る病原体をやっつける物質)を検出する方法と、②喉のぬぐい液からマイコプラズマのDNAを増やして検出する方法があります。

我々は 2008 年から日本全国規模で小児マイコプラズマ感染症の検討を行っているが,2024 年

マイコプラズマ肺炎を含め、マイコプラズマ感染症は、学校保健安全法で「その他の感染症」として指定されている感染症です。
登園・登校は、症状が改善して全身症状が良くなったら可能ですが、症状が出ているうちは登園や登校を控える必要があります。
マイコプラズマ肺炎は感染者の飛沫を介して感染が広がるので、手洗い・うがいを徹底し、外出時は人混みを避け、マスクをするなどの予防を行いましょう。

「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1

マイコプラズマ感染症は自然治癒する疾患です。必ず入院が必要とは限らないので、ご自宅で休むことも可能です。当院では、肺炎、気管支炎などのレントゲン所見がある場合に限り、抗生剤の治療対象としています。
抗生剤につきましては、マクロライド系抗生物質(クラリス/クラリシッド、ジスロマックなど)が有効とされていましたが、ニューキノロンやテトラサイクリン系抗生物質も有効です。
マクロライド系抗生物質では効果が期待できず、かつマイコプラズマ肺炎の確定診断がついたお子さまには、オゼックスやミノマイシンなどの抗生物質を処方することもあります。

アジスロマイシン(薬剤名:ジスロマック); エリスロマイシン(薬剤名:エリスロシン)

幸いなことに当院ではマクロライドもオゼックスも効かずミノマイシンを使わざるを得なかった8歳以下のケースはありませんでしたが、最近たてつづけに幼児の長引く咳や熱にミノマイシンが処方されているお薬手帳を拝見する機会がありました。

る疾患であり 14)、抗菌薬投与は必ずしも必要としない。キノロン系薬剤の耐性メ

皮膚科でとびひにミノマイシンが処方されることがあるようですが、他にも有効な抗菌薬があるのですからあえて使うべきではないと考えます。

マイコプラズマ肺炎とミノマイシン | Dr.かたおかの診療日誌

マイコプラズマ肺炎に関して, わが国の感染症サーベイランス(および参照)のデータでは, 2020年4月以降ほとんど報告されない状況が持続したが, 2023年秋以降にわが国でもM. pneumoniae肺炎の報告がみられるようになり, 今後の流行が予測される。2020年春に, こつぜんと検出されなくなったM. pneumoniae感染症であるが, 再流行する場合に, 前述した1型あるいは2型のいずれが立ち上がってくるのか, マクロライド感受性について感受性株・耐性株のいずれが多くを占めるのかは, 感染症疫学的にも興味深いが, 臨床現場に多大な影響を及ぼす可能性がある。現在のわが国の医薬品流通状況に関して, 鎮咳薬, 去痰薬のみならず, 抗菌薬に関しても出荷制限が反復されている16-21)。このような状況下で, 2011~2012年や2016年のような規模でM. pneumoniae肺炎の流行が生じると, 処方薬不足など, 現場がさらに混乱する事態になることが危惧される。

マイコプラズマ肺炎は比較的軽度の肺炎で、主に子供や若年層に発症する ..

さらに小児呼吸器感染症診療ガイドライン202212)では, Qプローブ法でマクロライド耐性遺伝子が検出されている場合は, トスフロキサシンやテトラサイクリン系抗菌薬を選択肢に考慮すべきとの記載がある。当院で施行したQプローブ法(Smart Gene)に関する検討では, 細胞培養法(国立感染症研究所細菌第二部で実施)に対するSmart Geneの感度, 特異度は, 各々98.0%, 100%であった。さらに, 培養で得られた菌株を用いた23S rRNA遺伝子塩基配列分析によるマクロライド耐性遺伝子同定とSmart Geneによる耐性遺伝子変異検出とを比較すると, 感度, 特異度は, 各々100%, 97.4%であった。新型コロナウイルス病原体検出の過程で, Qプローブ法検査機器が以前より普及しており, 今後耐性遺伝子の有無を確認したうえで, より適切な抗菌薬療法に寄与することが期待される。

【歩く肺炎】マイコプラズマって、いったいどんな病気? | 医師ブログ

わが国の診療ガイドライン等では, M. pneumoniae肺炎外来治療の第一選択薬はマクロライド系抗菌薬が推奨され, 48時間以上臨床的に改善がみられない場合は, テトラサイクリン系抗菌薬(小児では8歳以上)や, ニューキノロン系抗菌薬(小児ではトスフロキサシン)に変更することがおおむね共通して記載されている。一方で, ATSとIDSAによるガイドライン14)には, マクロライド耐性M. pneumoniaeに関する記述や耐性菌感染症を考慮した治療についての言及はみられない。AAPによるRed Book 2021-202415)でも, マクロライド耐性M. pneumoniae株についての記載はあるものの, ニューキノロン系抗菌薬を使用することは推奨されていない。

またマイコプラズマはどちらかというと子供や若い方に広まりやすいと言 ..

現在, わが国で公表されている診療ガイドライン等で, M. pneumoniae肺炎の項を含むものは, JAID/JSC感染症ガイド2023(日本感染症学会・日本化学療法学会)10), 成人肺炎診療ガイドライン2017(日本呼吸器学会, 改訂中)11), 小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022(日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会)12), M. pneumoniae肺炎に対する治療指針(日本マイコプラズマ学会)13)がある。海外では, American Thoracic Society(ATS)およびInfectious Diseases Society of America(IDSA)14)やAmerican Academy of Pediatrics(AAP)15)より, 市中肺炎やM. pneumoniae肺炎に対する抗菌薬療法が推奨されている。

よくある病原体です。5~14歳の年齢に多いといわれていますが、成人にも乳幼児にもマイコプラズマは感染します。

一方小児では抗体反応が強く長期に持続するため、実際の感染から長期にわたり、IgM 抗体が検出され続ける場合のあることが知られています。 このような点から、IgM迅速診断法は、マイコプラズマに感染していても、「陰性=感染していない」という結果が得られたり、過去に感染していて、今回はマイコプラズマに感染していなくても「陽性→感染している」という結果が得られたりすることがあり、正確ではありません。

マイコプラズマ肺炎は“肺炎マイコプラズマ”という細菌による感染症で、3~7 年程度の

2017~2021年の調査期間についてM. pneumoniae検出状況を比較したデータ4)によると, 2020年4月~2021年3月の期間では, 2017年~2020年3月までの期間と比較して, ヨーロッパ, アジア, アメリカ, オセアニアともにM. pneumoniaeの検出が激減していた。中国北京の小児病院において, 2016~2021年の期間にM. pneumoniae検出率を比較したデータ5)でも, 2019年は17.6%, 2020年は8.9%, 2021年は5.0%と激減している。