1時間前に アモキシシリン 2g の単回投与(アレルギーがある際はクリンダマイシン


「サワシリンカプセルが処方された患者さんの用法・用量について、念のためご確認をお願いいたします。今回、サワシリンが 1 回 2,000 mg、1 日 1 回で 1 日分投与と、添付文書にない使い方となっております。患者さんは循環器科にもおかかりとのことですので、適応外での感染性心内膜炎に対する予防投与と考えてよろしいでしょうか。」


なんらかの理由でアモキシシリン2gから減量する場合は、初回投与5~6時間後にアモキシシリン500mg を追加投与する

薬剤師の予測通り、歯科医師からの返答は感染性心内膜炎の予防のための処方であり、処方変更はなかった。


【用法・用量】
〈ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症〉
成人:アモキシシリン水和物として、通常 1 回 250 mg(力価)を 1 日 3~4 回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎〉
・アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用の場合
通常、成人にはアモキシシリン水和物として 1 回 750 mg(力価)、クラリスロマイシンとして 1 回 200 mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの 3 剤を同時に 1 日 2 回、7 日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1 回 400 mg(力価)1 日 2 回を上限とする。
・アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
通常、成人にはアモキシシリン水和物として 1 回 750 mg(力価)、メトロニダゾールとして 1 回 250 mg 及びプロトンポンプインヒビターの 3 剤を同時に 1 日 2 回、7 日間経口投与する。

[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更

<感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン>[文献 1]
感染性心内膜炎は、的確な診断のもとで適切な治療が奏功しないと多くの合併症を引き起こし、死に至る重篤な疾患である。多くの場合、何らかの基礎心疾患を有する患者が何らかの原因により菌血症を起こした際に発症し、菌血症を来す原因の多くは歯科治療を含めた小手術である。
そのため、先天性疾患、弁膜疾患を含む感染性心内膜炎の発症が高いとされる患者には、抗菌薬の予防投与が推奨されている。ガイドラインでは、下表の抗菌薬を処置 1 時間前に内服することが推奨されている。

<海外のガイドライン>
アメリカ心臓協会(AHA:American Heart Association)[文献 2]、欧州心臓病学会(ECS:European Society of Cardiology)[文献3]のガイドラインでは、歯科処置時の抗菌薬予防投与の対象症例を人工弁置換術後、感染性心内膜炎の既往例、先天性心疾患(未修復のチアノーゼ性先天性心疾患、術後 6 カ月以内)などに限定している。

[PDF] 歯科治療時の抗菌薬投与:感染性心内膜炎(IE)の予防

文献)
1. 日本循環器学会/日本胸部外科学会/日本小児循環器学会/日本心臓病学会. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008 年改訂版)
2. Nishimura RA et al., J Am Coll Cardial. 70(2):252-289, 2017.
3. Habib G et al., Eur Heart J. 36(44): 3075-3128, 2015.

抗菌剤はいろいろあり選択に迷うところです。いろいろな薬品をはば広く使うより、数種類の薬剤の知識を深くしてパターン化したほうが臨床的に有効と思います。ここではジスロマック、フロモックス、クラビットを主として考察してみました。サワシリン(アモキシシリン)は術前投与としか使用しません。セフゾンもフロモックスが使えないときに使用します。

⻭科治療時の予防的抗菌薬投与の第⼀選択は処置 1 時間前のアモキシシリン 2g の単回投与で

アモキシシリンの承認された用法・用量(ピロリ菌除菌を除く感染症:1 回 250 mg を 1 日 3~4 回、ピロリ菌除菌:1 回 750 mg を 1 日 2 回)よりも高用量(1 回 2,000 mg、1 日 1 回)で処方されている。歯科領域における適応外処方(感染性心内膜炎の予防)である可能性が考えられる。

ジスロマックSRは10%以上に下痢軟便があります。初日2日目にありその後軽快します
フロモックスは時間依存型です。つまり最小発育阻止濃度(MIC)超えた時間が長いほうが良く効きます。投与回数を増やしたほうが良く効くくすりです。最小発育阻止濃度(MIC)を少し越したあたりの時間が長くなるわけですので、耐性菌ができ安いタイプの薬といえます
耐性菌をつくらないため感染症には十分な期間 予防投薬にはきわめて短期間 抗菌薬を使用したほうが良いという考えもあります。中途半端な濃度と期間で投与するのは良くありません、その点ジスロマックの1週間分投与は良いと思っています


歯科医師から高用量のサワシリン処方はなぜ? 疾患名:感染性心内膜炎の予防(適応外使用)

一日一回2錠を3日間飲んで1週間薬が効いています。マクロライドの薬ですので代謝酵素のチトクロームP-4503A4(CPY3A4)の阻害作用があるはずですが、15員環のジスロマックの場合14員環クラリスなどに比べてその作用はかなり弱くp450による代謝は確認されていません。白血球などに取り込まれて炎症箇所の長くとどまるので、1週間効果があります。

原則として、「アモキシシリン水和物【内服薬】」を「急性副鼻腔炎」に ..

近年注目されてきたのですが、ジスロマックにはバイオフィルム破壊能があるようです。このことと炎症部位に長く留まり濃度が高くなる性質を利用して、ジスロマックを投薬して、薬が効いているうちに歯石除去を全額行ってしまう方法とか、投薬で歯周病を治そうという試みがあります。

ボノプラザン40mg分2, アモキシシリン2g分4, リファブチン 300mg分1 7日間

マクロライドでその他の候補はクラリスがあります。ジスロマックは15員環でクラリスは14員環です、得意な分野が少し違うようです。クラリスは耳鼻科でよくだされる薬です。慢性上顎洞炎に少量長期間(200mg一日一回3-4ヶ月)処方されているのを良くみかけます。インプラントによる上顎洞炎にも良く処方されています、上顎洞の粘膜に良く効くようです。上顎洞粘膜を処置したとき(インプラントで上顎洞に骨を作ったとき(サイナスリフト サイナス=上顎洞 リフト=挙上)などに私は使用していますが、普通に歯科で使用するにはジスロマックの方が優れていると思います。
薬の相互作用がクラリスに比べて少ないこと(下記の表 参照)

エソメプラゾール40mg分4, アモキシシリン2g分4, シタフロキサシン 200mg分2

肝臓での代謝が遅いくすりですので、肝臓障害のある人には長く肝臓に負担がかかり血中濃度も長く保たれますので使わないほうが良いでしょう。老齢の方に使用する時も、肝臓の代謝が悪いと考えて、7日間有効ではなく,それ以上有効と考えて使いましょう。

経口の第一選択薬はアモキシシリン(サワシリン®、アモリン®、パセトシン®)です。 ..

感染性心内膜炎は、未治療のままだとほぼ100%死に至り、治療を行っても院内死亡率(入院中の死亡率)は15%以上と高率です。とくに、人工弁の感染性心内膜炎の予後(疾病の医学的な見通し)は良くありません。感染性心内膜炎は診断が難しい病気ですが、的確に診断してできるだけ早く抗菌薬を開始することが肝要です。

抗菌薬の予防投与については、これまでの日本およびAHAのガイドラインともに変更はなく、 経口投与

感染性心内膜炎(IE)は,心臓弁膜や心内膜,大血管内膜に細菌を含む疣腫を形成し,菌血症,血管塞栓,心障害などの多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患です。観血的な歯科治療やスケーリング、外科手術により菌血症が発症する可能性は示唆されていますが、ブラッシングでも菌血症のリスクがあることが指摘されています1)。わが国では感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017改訂版)2)に従うことになり、予防のための抗菌薬の処方としては、基本的にアモキシシリン2gまたは30mg/kg(小児:50 mg/kg)を処置1時間前に内服することが推奨されています。βラクタム系抗菌薬アレルギーの場合にはクリンダマイシン,クラリスロマイシン,アジスロマイシンが推奨されています。同ガイドラインには歯科治療における注意事項が詳細に記載されているので一読をお勧めします。抗菌薬の投与に先立って、患者の全身状態の評価、内科等主治医への予防的抗菌薬の必要性についての対診、それから患者さんへの説明を行う必要があります。

[PDF] AMR 対策歯科臨床セミナー(2020 年 9 月 27 日) 質疑応答

妊娠中も胎児への障害も同様に報告されていないので同じように投薬可能です。抗菌剤の胎盤移行率は20-30%ですが胎児は薬物代謝機能が未熟ですのでちょっと不安ではあります。

回投与で血中濃度を 6-8 時間保てるという動物実験結果からきているものです。現実的に.

1) Lockhart PB, Brennan MT, Sasser HC, et al. Bacteremia associated with toothbrushing and dental extraction. Circulation 2008; 117: 3118-25.
2) 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン (2017改訂版). 日本循環器学会合同研究班 2018.

[PDF] 歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン 2020

疣贅内は血流が乏しく抗菌薬が行き渡りにくいので、通常より多めの抗菌薬を長めに投与します。適切な抗菌薬を選択できるかどうかがキーポイントですので、血液培養は非常に重要です。血液培養の結果が出るまでには数日かかりますが、その間は、患者さんの病状や背景(急性か亜急性か、人工弁置換術後か否かなど)から原因菌を推定しそれに対応する抗菌薬を選択します。血液培養の結果が出たら、薬剤感受性試験の結果を参考にして原因菌に有効な抗菌薬を選択します。抗菌薬の点滴は4〜8時間毎に行い、人工弁置換術後の場合は6〜8週間、そうでない場合は4〜6週間継続します。他の感染症での抗菌薬の点滴は1日1〜2回、投与期間は数日から2週ほどです。治療開始後72時間を目安に、発熱などの症状や検査結果に基づいて抗菌薬の効果を判定します。最も重要なのは、血液培養で原因菌が検出されなくなることです。抗菌薬が効いて治療がうまく行っている場合は、1週間以内に解熱して全身状態が改善します。

重症の急性中耳炎に対しては、初期治療として AMPC 90mg/kg/日(最大 2g)を

内科的な治療で持ち堪えられなくなった場合は、手術が必要です。手術が必要なのは、心不全が内科的治療では治せないくらい重症となった場合、適切な抗菌薬を3〜5日間投与しても高熱がひかず白血球数やCRP*1などの検査所見の改善がみられない場合(治療抵抗性感染症)、疣贅が1cm以上と大きいあるいは拍動のたびに激しく動くなど塞栓症(疣贅片が動脈に詰まること)の危険性が高い場合です。

CVA6.4mg/kg と併用して 2 回に分けて経口投与する。 2)Nelson Textbook of Pediatrics

セフェム系のエステル型(セフェム第三世代)です。安全性でいまでも使われているケフレックス(セフェムの第一世代 ですが、今効かせようとすると相当量出さなければなりません)と同じ系統です。2002年のデーターですが、300mg投与で有効率91%とかなり高率です。現在でも歯性感染症には90%の抗菌力があり衰えていません。βラクタマーゼ産生菌には弱いので4-5日で効かないようでしたら薬をクラビット等に変えます。この薬の特徴は出しやすさにあります。プロドラッグですので胃腸障害が少ないです。また他剤との相互作用や患者様の状態によって重篤な疾患を招くことがありません。薬にはなることはあっても毒にはなりません。歯科の第一選択のひとつです。

1gタイプの剤形の使用は、投与量が1日2g以上の場合に限られる。 カプセル剤の使用 ..

多くの国のガイドラインでは、が、菌血症が起こりやすい高リスクの医療行為(治療や処置、下の表)を受ける時だけに限って、感染性心内膜炎の予防のために抗菌薬を内服することを推奨しています。費用対効果を考慮して、抗菌薬の予防投与を感染性心内膜炎の高リスクの場面だけに限定しようという考え方です。

アモキシシリン増量投与法に伴う上咽頭検出菌の変化―2 歳未満児における.

胃酸は胃のプロトポンプから分泌されています。プロトポンプにはアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミン、の3種類の受容体があります。それぞれの受容体にアセチルコリンなどが結合することによってプロトポンプが作動するわけです。一番確かなのは大元のポンプを阻害してしまうのが効果的です。プロトポンプ阻害剤(=PPI)は下記のようなものがあります。これは市販されていません。市販されよく使われているのはH2ブロッカー(ヒスタミン阻害剤=H2受容体拮抗剤)です。胃腸障害には神経性のものなどいろいろあるのですが、いずれも胃酸の分泌を少なくすればなおってしまいますので、H2ブロッカーが市販されたのは画期的なことだと思っています。医者にゆくことを面倒くさがるかたでも初期の段階で軽快します。夜間はヒスタミン受容体のみが作動しますので夜間の分泌抑制には非常に効果的です。日中はアセチルコリン、ガストロン受容体も働いていますので効きが弱くなります。元から断つにはPPIになってしまうのですが、まずはH2ブロッカーからというところです。H2ブロッカーは市販のものでいろいろあります。