薬疹:入院時、頚部・肩・前腕・下肢に発赤あり、頚部は落屑が多かった。 肘・膝に ..
そして驚くべきことに、このデータブックは福田皮ふ科クリニックの福田英三先生というひとりの先生によって作られました(現在はご子息である福田英嗣先生も編集に携わっておられます)。
薬疹の診療には欠かせないものであり、日本中の皮膚科医がそのデータブックを参考に診療しています。私たち皮膚科医は福田先生には感謝してもしきれない、といつもデータブックを手にするたびに思っているのです。
副作用として一番多いのは抗生物質によるアレルギー性の薬疹です。 抗生 ..
固定薬疹では、その名前のとおり『固定』した部位に薬疹が出るのが最大の特徴です。薬剤摂取から数時間から数日後に、決まった部位の皮膚または粘膜(時に性器)に境界のはっきりした丸い赤~紫色斑が出現し、時に水疱を作ることも。
赤色斑は一か所のことが多いですが、数個出ることもあり、同じ薬剤を摂取するたびに同一部位に出現し、色素沈着を強く残します。
また、アレルギー歴の申告は抗菌薬の選択に影響を与える。MSSA菌血症ではペニシリンアレルギーの申告は生存率に影響しなかったが、多くのアレルギーとされる患者はセファゾリンの治療を受け、バンコマイシンが選択された群での死亡率の上昇がみられたため、適切なセファゾリンの選択が有効であると報告されている29)。
一般的に、よく知られている抗生物質による副作用には、投与直後のアレルギー、薬疹 ..
米国では約10%の患者がペニシリンアレルギーと申告しており、高齢者や入院患者でその頻度が高まる。そのうち約の患者では安全に投与することができると報告されている26)。過剰なペニシリンアレルギー診断は、高価で不適切な抗菌薬使用を助長する27)。また、入院期間の延長やC. difficile、MRSA、VRE感染症のリスクも高まることが報告されている28)。
原因となった薬剤を中止すると、約2週間で発疹は軽快しますが、薬剤が原因であると気づかずに投与が続けられると高熱が続き、発疹がなおらず、重篤な状態に。
その症状は薬の副作用か、それとも別の原因か? 副作用の特徴を言葉として ..
ペニシリン系抗菌薬とセファロスポリン系抗菌薬は構造に類似点があるが、その分解経路が異なる(表3)25)。ペニシリン系は蛋白質の残留リジンに結合できる不完全な中間体としてpenicilloylを形成して抗原となる。セファロスポリン系抗菌薬は速やかにフラグメントに分解され、分解生成物の免疫原性がそれほど強くないことがペニシリン系抗菌薬とは異なる。一方、R1側鎖は構造を残したまま分解されるため、抗原決定構造となる。
薬疹では、さまざまなタイプの皮膚炎が出現するため、まとめて述べるのは難しいのですが、薬疹を起こしやすい薬剤と、薬剤ごとに起こりやすい皮膚炎の種類がいくつかあるので、表にしてみました。
さらに、薬疹の中でも特に多いものについては、いくつか個別に紹介。
中耳炎:「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し,抗菌薬投与の必
「高熱(38℃以上)」、「皮膚の広い範囲が赤くなる」、「赤くなった皮膚上に小さな白いブツブツが出る」、「全身がだるい」、「食欲がない」など症状がある場合は、放置せずに、ただちに医療機関を受診してください。
基本的には入院が必要になります。原因と考えられる薬剤の摂取後、数時間後~1週間以内に発症することが多いです。
抗ペニシリン血清学的診断(IgE)によるin vitro検査は臨床症状との相関性が低く、診断には無効とされている23)。I型アレルギーでは皮膚試験や特異的IgE検査(RAST)、IV型アレルギーではパッチテストなどが診断に使用される。
原因医薬品は,抗てんかん薬,ジアフェニルスルホン,サラゾスルファピリジン,アロプリノール,ミノサイク
<Ⅲ型アレルギーの薬疹>
薬剤に抗体がくっつくことにより抗原抗体複合体(免疫複合体とも)が作られ、この抗原抗体複合体が血管などに沈着し、そこで免疫反応を起こして細胞が障害されます。
このタイプの薬疹は、血管炎が発症しやすいとされ、代表的な薬剤にPTU(プロピルチオウラシル:Propylthiouracil)という甲状腺疾患の治療薬やミノサイクリンという抗菌薬があります。
[PDF] アモキシシリン(AMPC)投与後 の発疹に関する前方視的調査
アレルギー発生時の併用薬の確認をすることも必要である。アロプリノールは重症薬疹での一番の原因薬剤であり、抗けいれん薬は抗菌薬とアレルギーの頻度が近い。また、頻繁に処方されるNSAIDsも薬疹の頻度は高い。これらの薬剤に起因するアレルギーが抗菌薬のものとされることもある。特にIV型アレルギーは原因薬剤を中止しても数日悪化をたどることがあり、原因薬剤の特定が難しくなる。
と判明した。 ワイドシリンを服用し解熱した後、4~ 5日して再び発熱し、翌日から(ワイド シリン投与8日目)発疹が出現した。
代替抗菌薬は臓器と起因菌を想定して選択する。
例)
誤嚥性肺炎:クリンダマイシン、グラム陽性菌用抗菌薬+メトロニダゾール
尿路感染症:ST合剤、フルオロキノロン、アミノグリコシド
皮膚軟部組織感染症:ST合剤、クリンダマイシン、塩酸バンコマイシン
腹腔内感染症:フルオロキノロン+メトロニダゾール
2009 年から 2018 年の 10 年間では,多形紅斑型,紅
<Ⅱ型アレルギーの薬疹>
薬剤に対する抗体が産生され、それに細胞障害性T細胞や補体(B細胞によって産生される)が作用することにより、細胞がダメージをうけます。このⅡ型アレルギーの薬疹の代表的なものが、糖尿病で使用されるDPP-4阻害薬による類天疱瘡。
類天疱瘡型の薬疹は、皮膚の細胞同士を接着させているたんぱく質が細胞障害性T細胞や補体に攻撃され、皮膚同士の接着が弱くなります。さらに、水疱ができ皮膚がはがれて『びらん』に。
DPP-4阻害薬自体は、日本人の糖尿病患者さんにはとてもよい薬剤ですが、このような特徴的な薬疹を起こすことがあり、投与の際には注意するよう言われています。
抗菌薬などの医薬品が原因となることが非常に多く、服用後数時間~数
抗がん剤による治療中に、手や足の皮膚に出現するさまざまな皮膚症状を手足症候群といいます。抗がん剤はがん細胞を殺したり、あるいは増殖をおさえたりする作用がありますが、同時に正常な細胞にも作用するためいろいろな副作用が。
手足に症状があらわれたものを手足症候群と呼んでいます。手足症候群の症状は左右両側に。なぜ起こるかはさまざまな説が唱えられていますがまだよくわかっていません。また、薬の種類によって症状や現れる部位が異なることがあります。
日以内に発症する場合(すでに薬剤に対して感作されている場合)と服用
<Ⅰ型アレルギーの薬疹>
じんましん型とも呼ばれ、薬剤を摂取して数分~1時間以内に発疹があらわれます。ただし、アレルギーなので感作が成立していないと症状は起きず、初回投与時にはこのタイプの薬疹は通常起こりません。
よくあるパターンは、それまでにその薬剤を投与されたことがあり、その時に本人も気づかないうちに感作が成立し、再度同じ薬を投与されたときにアレルギー反応を起こす、というもの。このタイプの薬疹は抗菌薬などでよくみられます。
ピロリ菌除菌薬による薬疹 (武蔵小杉病院 安齋眞一 荻田あずさ)
アレルギー型薬疹では、薬剤の成分やその代謝産物が抗原(アレルゲン)となり、免疫システムが活性化され症状が出現。ふつう薬疹というと、このアレルギー性薬疹をさします。
薬剤に対して反応する細胞(Tリンパ球)や抗体ができることを感作といい、アレルギー型薬疹はこの感作が成立した人にのみ発症。また、いったん感作が成立すると生涯消失しないと言われています。
(アモキシシリン)、ビクシリン (アンピシリン)、チオラ (チオブロニン)、メキ
手足症候群の症状がみられたら、できるだけその部位に刺激を与えず、安静を保つようにして、すぐに担当医に相談してください。
手足症候群は症状が軽いうちに対処すれば良くなることも多いですが、放置すると日常生活にも支障が出て抗がん剤を休薬や、減量することも。さらに指が部分的に腫れて、痛みが出ます。
【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)
薬疹は、体内に入った薬剤の成分、あるいはその代謝産物が、アレルギー性または非アレルギー性機序で皮膚に障害を起こすことで発症。
[PDF] 浜松市内科医会 AAS 通報 20 抗菌薬投与中の小児の発疹
なんらかの外来性物質(食物、薬剤、微生物など)または体内物質に誘発されて生じる発疹を中毒疹と呼びます。中毒疹は薬疹のほか、ウイルス、細菌、食物、その他原因による急性の発疹の総称です。
ただし、反応性の皮疹であってもなるべく原因物質を特定し、原因に応じた診断名をつけるべきという考えが主流です。
現在では使われることが減っている用語ですが、実際の臨床において原因のはっきりしない発疹はとても多く、中毒疹という呼称を使うこともあります。
[PDF] セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)
重症薬疹の代表的なものは、スティーブンスジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome; SJS)と中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrosis; TEN )が。どちらも表皮細胞の壊死が起こり、紅斑や水疱を生じます。
また、倦怠感や高熱(38℃以上)、関節痛、筋肉痛、胸痛、胃腸障害といった全身症状も。
7.1 抗血小板薬二剤併用療法期間は、アスピリン(81~100mg/日、なお初回
また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)。
負荷投与では 324mg まで)と併用すること。抗血小板薬二剤併用療法期間終
そして全身の皮膚の10%以上が水疱やびらんとなると、中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrosis; TEN )呼ばれます。SJSやTENはステロイドパルス療法や血漿交換などの高度な治療が行われても死亡することもあり、緊急性の高い病気です。
死亡率はTENで20%、SJSでも数%と言われています。また、目の粘膜に症状が出ると視力障害などの後遺症を残すこともあり、早期診断がとても重要です。