フォシーガ錠、「左室駆出率の保たれた慢性心不全」患者にも投与可に ..


アストラゼネカは、第3相DELIVER試験の詳細な結果を発表し、駆出率が軽度低下または保持された心不全患者で、SGLT2阻害薬「フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)」がプラセボと比較して、心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目に関して有意な抑制を達成したと発表した。


フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ」について、第3相DELIVER試験の2つの解析結果を発表し、心不全(HF)の罹患期間にかかわらず、循環器・腎・代謝(CVRM)疾患のさまざまな併存状態での一貫したベネフィットが裏付けられたと発表した。詳細は、チェコのプラハで5月に開催された欧州心臓病学会心不全2023年総会で報告された。

第3相DELIVER試験の事前規定された解析として、左室駆出率(LVEF)が40%超の心不全患者でのフォシーガの治療効果を、HFの罹患期間(6ヵ月以内、6ヵ月超~12ヵ月以内、1年超~2年以内、2年超~5年以内、および5年超)別に検討した。

18:17 · Go to channel · 心不全TOPICS#25 欧州心臓病学会(ESC)速報:DELIVER試験 ..

フォシーガは、心血管死または心不全悪化の複合アウトカムを18%(中央値2.3年のフォローアップ期間でダパグリフロジン群で16.4%、プラセボ群で19.5%)低下させた(p

- 左室駆出率にかかわらず慢性心不全の治療薬として使用可能に -

フォシーガ ダパグリフロジン 糖尿病 SGLT2阻害薬 DELIVER NEJM 心不全 EF HEFpF.

CVRM関連の併存疾患の有病率、およびさまざまな併存状態でのフォシーガに対する被験者の反応を評価した第3相DELIVER試験の事後解析結果も発表され、同時にJACC Heart Failureに掲載された。

この所見は、検討した主なサブグループで一貫しており、フォシーガは左室駆出率の状態にかかわらず幅広い心不全患者に対した効果があった。試験結果では、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)の総症状スコアにより測定された患者報告アウトカムで症状改善の効果も示された。

2023年1月、慢性心不全の適応が拡大され、左室駆出率にかかわら ..

第3相DELIVER試験でのフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致していた。

アストラゼネカは「フォシーガ錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下フォシーガ)」の添付文書が改訂されたことを機に、「慢性心不全治療に残された課題と選択的SGLT2阻害剤フォシーガが果たす役割」と題して、2023年3月2日にメディアセミナーを開催した。

セミナーでは、はじめに阪和病院・阪和記念病院 統括院長・総長 北風 政史氏より、「慢性心不全治療の現状とDELIVER試験を踏まえた今後の展望」について語られた。

日本では、主な死因別死亡において心疾患による死亡率が年々増加しており、2021年では14.9%と、がん(26.5%)に次いで多かった。心疾患の中でも心不全は5年生存率が50%と予後が不良な疾患であることが知られている。

心不全は左室駆出率(LVEF)の値によって、3つの病態(HFrEF:LVEF40%未満、HFmrEF:LVEF40%以上50%未満、HFpEF:LVEF50%以上)に分類されるが、これまで治療法が確立されていたのはHFrEFのみであった。しかし、このたびDELIVER試験により、フォシーガがLVEFにかかわらず予後を改善するという結果が示され、添付文書が改訂された。

・幅広い層を対象にしている
組み入れ時にLVEF40%を超える患者(組み入れ前にLVEF40%以下であった患者も含む)を対象とした。
・投与開始後早い時点で有効性が示された
主要評価項目である主要複合エンドポイント(心血管死、心不全による入院、心不全による緊急受診)のうち、いずれかの初回発現までの期間は、フォシーガ10mg群でプラセボ群と比較して有意に低下し、この有意なリスク低下は投与13日目から認められた。
・LVEFの値によらず有効性が認められた
全体集団とLVEF60%未満群で、主要複合エンドポイントのうちいずれかの初回発現までの期間を比較したところ、フォシーガ群におけるリスク低下効果が同等であった。この結果から、LVEF60%以上の心不全患者にもフォシーガが有効であることが示唆された。

現在、HFpEFの薬物療法におけるSGLT2阻害薬の位置付けは、海外のガイドラインではIIa、国内ではガイドラインへの記載はない。しかし、DELIVER試験などでHFpEF治療におけるSGLT2阻害薬の知見が蓄積された今、ガイドラインによる位置付けが変更される可能性がある。

続いて矢島 利高氏(アストラゼネカ メディカル本部 循環器・腎・代謝疾患領域統括部 部門長)より「慢性心不全領域におけるダパグリフロジンの臨床試験プログラム」について語られた。

矢島氏はDAPA-HF試験とDAPA-HF/DELIVER試験の統合解析結果について解説し、DAPA-HF/DELIVER試験の統合解析によれば、LVEFの値によってフォシーガの有効性に差はないことが示されていると述べた。

今回、フォシーガの効能または効果に関する注意が、LVEFによらない慢性心不全に変更されたことで、今後、慢性心不全治療がどのように変化していくか注視したい。

■参考文献
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本試験はAstraZenecaの資金提供を受けた
4)
本試験はAstraZenecaの資金提供を受けた
5)
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本論文作成に当たっては、AstraZenecaの資金提供を受けた


[PDF] 左室駆出率の軽度低下または保持 不全、ダパグリフ ロジンが有効

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)と小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁)は、アストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ®錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)」について、既承認の慢性心不全の「効能又は効果に関連する注意」に記載の「左室駆出率」に関する記載を削除、およびそれに関連する情報を追記し、日本における電子化された添付文書(以下、電子添文)を改訂したことをお知らせします。

【心不全】HFpEFを対象に後期開発中の有望新薬|DRG海外レポート

これらは、上記のDELIVER試験の結果に基づき変更されました。今回の電子添文の改訂により、フォシーガは左室駆出率を問わず慢性心不全患者の治療薬として使用いただけるようになりました。

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウイメンズ病院の内科学教授で、第3相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるScott Solomon氏は、次のように述べている。
「DELIVER試験のこのような結果は、患者や臨床現場にとって重要なものです。これまでのHFpEFに関する他の臨床試験では、左室駆出率が高い場合に効果の減弱が示されましたが、ダパグリフロジンを用いた本試験では、左室駆出率にかかわらず一貫した結果が得られました。この所見は、ガイドラインにもとづく標準的治療の早期開始を推奨する最新の治療ガイドラインを補強するものでもあり、臨床現場でのSGLT2阻害薬のより広範な使用を支持できることが期待されます」。

心不全TOPICS#37 心不全治療におけるSGLT2阻害薬の ..

日本で承認されているフォシーガの効能又は効果は、「2型糖尿病」、「1型糖尿病」、「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。)、および「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。)」です。

心不全TOPICS#25 欧州心臓病学会(ESC)速報:DELIVER試験 SGLT2阻害薬が ..

米国心臓病学会、米国心臓協会、および米国心不全学会が共同で発行した心不全ガイドライン2022年更新版では、左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)および左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)の治療薬としてフォシーガなどのSGLT2阻害薬を推奨している。これは、左室駆出率低下をともなう心不全(HFrEF)でのSGLT2阻害薬の使用を支持するこれまでの推奨を拡大するものだ。

駆出率が軽度低下または保持された心不全に対するダパグリフロジン

DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者の治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第3相試験。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与された。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者を対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者が無作為化された。

Dapagliflozin(フォシーガ)投与、EF40-55%以下の心不全患者 4744 人。

ハーバード大学医学部およびブリガム アンド ウイメンズ病院の内科学教授で、第3相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるScott Solomon氏は次のように述べている。
「現在の診療では、罹患期間が長期にわたる心不全患者は、新しい治療を追加しても反応しない、または忍容性が低い進行性疾患に罹患しているとみなされる可能性がある。第3相DELIVER試験のデータは、SGLT2阻害剤であるダパグリフロジンによる治療ベネフィットは、心不全の罹患期間にかかわらず一貫しており、患者にとって治療が決して遅過ぎることがないことを示している」。

SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

「第3相DELIVER試験の結果から、心不全患者が2型糖尿病や慢性腎臓病といった他のCVRM疾患を併発していることがいかに一般的であるかが浮き彫りになった。今回発表された新たな解析は、あらゆる心腎疾患に対してフォシーガがベネフィットをもたらし、心不全や他のCVRM疾患を有する患者の治療を根本的に変える可能性を示している」と、同社では述べている。

DELIVER試験_左室駆出率が40%を超える慢性心不全患者さんを対象としたDELIVER試験_新作成要領

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は第III相DELIVER試験の結果を発表しました。本試験において、アストラゼネカのフォシーガ®(一般名:ダパグリフロジン、以下、フォシーガ)が、心血管(CV)死または心不全(HF)悪化の主要複合評価項目に関して統計学的に有意かつ臨床的に意義ある抑制を達成したことが示されました。本試験は、駆出率が軽度低下した、または保持された心不全患者さん(左室駆出率が40%超と定義)を対象に実施されました。

DELIVER試験_-亜急性※集団のサブグループ解析_新作成要領

これらの知見は、以前に報告された第3相DELIVER試験および第3相DAPA-HF試験の結果にもとづいている。これらの試験は、HF患者に対する基礎治療薬としてフォシーガの使用を支持するエビデンスを提供し、駆出率(EF)にかかわらず死亡率の低下を示す唯一の心不全治療薬としてフォシーガを確立しているとしている。

試験(D169CC00001試験:DELIVER試験)17)、18)

なお、第3相DELIVER試験でのフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致した。

承認番号:22600AMX00528(フォシーガ®錠5 mg)、22600AMX00529(フォシーガ®錠10 mg).

DELIVER試験では、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者の治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価した。6,263例の患者が対象で、心不全のみは少なく(13%)、31%は心不全に加え1つのCVRM疾患、36%は心不全に加え2つのCVRM疾患、20%は心不全に加え3つのCVRM疾患に罹患していた。主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間。

ンの DELIVER 試験 8)、エンパグリフロジンの EMPEROR-Preserved ..

主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間。副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8ヵ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間など。