不安や恐怖 ~②人前での過剰な緊張や不安 社交不安障害(あがり症)


このようにうつ病に不安障害が併存している可能性は高く、診療上意識する必要があると考える。近年、不安障害の治療に広く用いられるSSRIは、細胞外セロトニン濃度上昇を介して扁桃体グルタミン酸神経の活性化を抑制することが動物実験で示されている本パンフレットで紹介したSSRIであるレクサプロは臨床試験において、うつ病患者の精神的不安の項目の1つである内的緊張を改善し、また社会不安障害患者における有効性が示されている。またレクサプロ10mgの反復投与は脳内セロトニン・トランスポーターを約80%占有する用量であることがSPECTを用いた研究で示されておりこの用量を投与すると大部分のセロトニン・トランスポーターが不活化すると考えられている。すなわち、レクサプロ10mgは治療用量として合理的であり、この用量で治療開始できる臨床的有用性は高いと言えよう。一方、脳内セロトニン・トランスポーターを約80%占有する用量には個体差があるので、レクサプロ10mgで効果が十分でない場合には20mgへの増量が必要となる場合もある。以上のように、レクサプロはうつ病・うつ状態、社会不安障害の治療選択肢の1つとして有用と考えられる。


社交不安障害は他の精神疾患の併存率が高い疾患であり、うつ病と併存した場合に自殺念

観察期及び後観察期の副作用は、レクサプロ10mg群198例中102例(51.5%)、レクサプロ20mg群193例中111例(57.5%)、プラセボ群196例中56例(28.6%)に認められた。主な副作用は、レクサプロ10mg群では傾眠18.7%、悪心14.6%、浮動性めまい8.6%等、レクサプロ20mg群では傾眠22.3%、悪心17.6%、浮動性めまい9.3%等、プラセボ群では傾眠7.7%、頭痛5.6%、悪心4.1%等であった。重篤な副作用は、レクサプロ10mg群で痙攣が1例(0.5%)、レクサプロ20mg群で糖尿病が1例(0.5%)に認められたが、プラセボ群では認められなかった。投与中止に至った副作用は、レクサプロ10mg群10例(5.1%)に17件(頭痛が3件、悪心、上腹部痛、浮動性めまいが各2件等)、レクサプロ20mg群10例(5.2%)に11件(悪心が2件、躁病、心電図QT延長、嘔吐、浮動性めまい、動悸、易刺激性、糖尿病、倦怠感、傾眠が各1例)、プラセボ群6例(3.1%)に7件(不安が2件、社交恐怖症、不眠症、うつ病、自殺念慮、頭痛が各1件)認められた。

ですがレクサプロには、眠気やふらつきなどの副作用が生じる可能性はあります。ですからレクサプロでは、

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12週時におけるLSAS-J合計点の変化量(LOCF、平均値)は、レクサプロ10mg群-26.9点、20mg群-32.6点、プラセボ群-23.1点であった(図7)。LOCFでの解析ではレクサプロ10mg群とプラセボ群の間に有意な差はみられなかったが、OCでの解析及びMMRM解析では、レクサプロ10mg及び20mg群とプラセボ群との間に有意な差を認めた(図8)。さらにLSAS-J合計点の変化量のOCでの解析では、レクサプロ10mg群で4週時より、20mg群で2週時よりプラセボ群に対する有意な差を認めた(図9)。以上のことから、社会不安障害に対するレクサプロの有効性が示された。

観察期及び後観察期の副作用は、レクサプロ10mg群120例中76例(63.3%)、レクサプロ20mg群119例中90例(75.6%)、レクサプロ併合群239例中166例(69.5%)、パロキセチン群121例中86例(71.1%)、プラセボ群124例中64例(51.6%)に認められた。主な副作用はレクサプロ10mg群では傾眠(15.0%)、悪心(13.3%)、浮動性めまい、腹部不快感(各9.2%)、レクサプロ20mg群では悪心(21.0%)、傾眠(20.2%)、浮動性めまい(10.1%)、レクサプロ併合群は傾眠(17.6%)、悪心(17.2%)、浮動性めまい(9.6%)、パロキセチン群は傾眠(25.6%)、悪心(17.4%)、浮動性めまい(9.9%)、プラセボ群では悪心(11.3%)、傾眠(9.7%)、頭痛(5.6%)であった。重篤な副作用は、レクサプロ10mg群でうつ病・自殺企図1例(0.8%)、パロキセチン群で自殺念慮1例(0.8%)に認められたが、レクサプロ20mg群及びプラセボ群では認められなかった。投与中止に至った副作用は、レクサプロ10mg群で5例(4.2%)に8件(自律神経失調、腹部不快感、心室性期外収縮、心電図QT延長、胸部不快感、頭痛、嘔吐、肝機能異常)、レクサプロ20mg群で5例(4.2%)に11件(腹部不快感、食欲減退、呼吸障害、頭痛、冷汗、動悸、悪心、双極1型障害、浮動性めまい、無力症、入眠時幻覚)、パロキセチン群で3例(2.5%)に9件(頭痛、倦怠感、傾眠が各2件等)、プラセボ群で3例(2.4%)に3件(疼痛、易刺激性、椎間板突出)認められた。

社会不安障害とは? 社会不安障害の方が苦手意識を感じやすい社会シーン (イフェクサー・サインバルタ・トレドミン.

社交不安障害の患者さんでは、「恐怖・症状→回避」という行動パターンになっていることが多く、そのことがよけいに恐怖や緊張をふくらませてしまう悪循環におちいります。

主要評価項目である8週時におけるMADRS合計点の変化量について、レクサプロ併合群はプラセボ群に対する優越性とパロキセチン群に対する非劣性が検証された(図5)。また本試験では、レクサプロ併合群はMADRSサブスケールの精神的不安の1つの項目である内的緊張(漠然とした不快感、イライラ感、内的混乱、さらにはパニック、恐怖、苦悶のいずれかに至る心的緊張)、他5項目など6項目に関して、投与8週時にプラセボ群に対し有意に改善した(図6)

[PDF] 2008年より社交不安障害:世界保健機構ICD10では社交恐怖

社会不安障害の人の強すぎる不安は、「他人から悪い評価をされる自分には価値がない」「自分のすることは他人から評価されないに違いない」「一度上手くできなかったことはまた次も失敗してしまう」などの偏った考え方が根本にあるケースが多くなっています。

近年SSRIは不安障害の治療に広く使われているが、その不安症状を改善する作用の機序が解明されてきたのは1996年以降であった。この頃から、SSRIがセロトニン神経伝達を促進することにより不安を和らげること、SSRIの作用部位が扁桃体であることなどが報告されてきた。さらに、動物実験モデルである「恐怖条件付けストレス」を用いた研究の結果から、SSRIは細胞外セロトニン濃度上昇を介して扁桃体グルタミン酸神経の活性化を抑制し、不安症状改善作用をもたらすと考えられている


まずは問診させていただき、病状の本質は社交不安障害及びうつ状態にあると判断しました。

不安・恐怖の感受には、扁桃体の機能が中心的な役割を担っていると考えられている。また、うつ病においても、扁桃体の活性化が重要な役割の一端を担っており、扁桃体は不安障害とうつ病に共通して関与する脳部位である可能性が示唆される(図2)
扁桃体は、視床や大脳皮質から嫌悪刺激を受け取って、呼吸や脈拍の増加の他、様々な自律神経、内分泌変化を惹起する役割を担っており、このような扁桃体の活性化によって、人は不安・恐怖を感じる(図3)。健常人であっても他人の表情(とくに悲しい表情や恐ろしい表情)を認知したとき扁桃体が活性化するが、不安障害やうつ病では健常人を超える扁桃体の活性化が観察されている一方、このような扁桃体の活性化はSSRIによって抑制されることが示されている

社会不安障害とレクサプロについて | 医師に聞けるQ&Aサイト

図1 大うつ病に併存する不安障害の有無と各種不安障害の生涯有病率(海外データ)1)

社会不安障害(SAD)は薬で治る?治療薬の種類や副作用、注意点とは

そもそも、周りからどう思われるのかという社会不安は、誰しもがもっているものです。社会不安があるから相手がどう思うかを考えて行動し、準備をするのです。問題は過度であることです。「社会不安はあってはいけないもの」ではありません。社会不安はそのままにして、それでも付き合っていけることを学んでいきます。

「社交不安障害(SAD)」とは、「社交恐怖」「社会恐怖」などとも呼ばれ ..

社交不安障害の人は根本的に「より良く生きたい」「多くの人に認められる存在でありたい」という高い欲求を持っていたり、周囲との調和を重視したりする性格が下地にあることが多く、その分社交の場で緊張がかかりやすい傾向があります。

レクサプロ (エスシタロプラムシュウ酸塩) 持田 [処方薬]の解説、注意

社会不安障害の症状のなかでも、周りの人からも分かってしまう以下の3つの症状が残ってしまうことがあります。

障害,社会不安障害[パロキセチン塩酸塩水和物(パキシルCRを除く),セルトラリン塩酸塩のみの適応症]パニック障害,外傷後ストレス障害

大うつ病性障害患者に対して、無作為化二重盲検下でエスシタロプラム10mg/日またはプラセボを7日間投与し、恐怖及び幸福の表情認知に対する扁桃体のBOLD信号の変化を観察した。BOLD信号の増加は、神経活動の亢進に伴う脳血流量の増加を示しており、扁桃体においては不安・恐怖反応の増大を意味する。本研究の結果、幸福の表情認知におけるBOLD信号変化率はプラセボ群とエスシタロプラム群とで有意な差は認められなかった。一方、恐怖の表情認知におけるエスシタロプラム群とプラセボ群のBOLD信号変化率は有意な差があり、また、恐怖の表情認知では、大うつ病性障害患者(プラセボ群)のBOLD信号変化率は健康成人と有意に異なることが示された(図4)。このことから、うつ病患者で増加する恐怖の表情認知に対する扁桃体の活性化が、エスシタロプラムの投与によって抑制されたと考えられる。

社交不安障害 レクサプロについて | 医師に聞けるQ&Aサイト

社会不安障害の頓服薬として、不安や緊張を抑えるために抗不安薬が良く使われます。

精神安定剤の主な効果は、不安や緊張の改善と、睡眠障害の改善です。 医療用での ..

漢方薬は効果を見極めるまでに時間がかかり、社交不安障害への効果は見えづらいので、不安にアプローチする精神療法と併用し、じっくりと治療に取り組んでいく必要があります。

レクサプロの効能・効果うつ病パニック障害社交不安障害強迫性障害月経前症候群レクサプロ ..

社交不安障害の治療では、SSRIなどの抗うつ剤の有効性が認められているため、基本的にはそちらがメインで使われます。ただ、副作用や妊娠との関係、薬への不安が大きい場合などでは漢方薬を使っていくこともあります。

SSRIの特徴5つ」について1分でまとめています。 抗うつ薬SSRIは、うつ病のほかに社会不安障害などの不安障害 ..

とくにリボトリール/ランドセンは、社会不安障害に効果が実証されている唯一のお薬になります。といっても他のお薬も有効で、例えば緊張が強い場合などは、レキソタンやデパスなどが良く使われます。

レクサプロ/社会不安障害の効能効果を取得 | 医薬広告DataBase

効果の実感までに時間のかかる抗うつ剤に対し、抗不安薬では即効性が期待できます。不安や緊張を落ちつける効果が期待できます。

社会不安障害には、薬物療法の効果がみられることが多いです。私自身もパフォーマンス恐怖とよばれる社会不安障害 ..

ジェイゾロフトの効果がないわけではなく、社会不安障害に効果があるかどうかの研究を行っていないだけです。理論的には効果が期待できます。

彼はうつ病と社交不安障害に悩んでいるようです。私がしてあげられることは何か ..

社交不安障害では偏桃体の働きを正常化させるために、セロトニンを増加させる作用の強い抗うつ剤が使われます。抗うつ剤はいずれもセロトニンを増加させる作用がありますが、とくにSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というお薬が良く使われます。

レクサプロは、うつ病や不安障害以外にも、パニック障害、強迫性障害(OCD)、社会不安障害などの治療にも有望視されています。

ですから社会不安障害のしっかりとした治療を行っていく場合、抗うつ剤を中心にしていくことがスタンダートな治療となります。

結果は予想通りというか、レクサプロの有効性に大きな違いが出ました。 ..

先ほど、社会不安障害の患者さんでは偏桃体が過敏になっているとお伝えしましたが、セロトニンを増加させる抗うつ剤は、この偏桃体の働きを落ちつかせてくれると考えられています。